性同一性障害と診断を受けるにあたって性染色体検査をしなければいけない理由と方法

身体的な性別が女性の場合はXX、男性の場合はXYとなります。。性同一性障害の場合ftmの性染色体XX、一方mtfの場合はXYです。

ところが5,000〜6,000人に1人くらいの頻度で、性染色体に異常が見られる「性分化疾患」があります。性分化とは、性染色体(X染色体とY染色体のこと)に基づき精巣や卵巣が発育し、男女それぞれに特徴的な内性器(体の中の性器)や外性器(体の外側の性器)が造られる過程を指します。性分化疾患(インターセックス)とは成文化の途中で何らかのトラブルが生じ、性染色体、性腺、内性器、外性器が非典型的である、生まれつきの状態で使われる用語で、多くの疾患(体質)を含む総称です。

生まれたときには気づかれず、思春期後半の年齢になっても他の大部分の男の子や女の子のような二次性徴が見られない、あるいは進行が遅いことで見つかる疾患もあります。男の子で14歳になっても精巣が大きくならな買ったり16歳になっても声変わりしない、女の子で13歳になっても乳房が発育しない、15歳になっても生理が来ない場合には、性分化疾患が疑われます。

性別の違和感が染色体異常によるものではないことを確認します。性分化疾患の場合は、「性同一性障害の性別変更」とは別の手続きで変更します。性分化疾患の場合はその診断だけで戸籍変更ができることになります。

▼「女性として生まれたのに、四球と卵巣が無く精巣がある性分化疾患患者の苦悩」

性染色体検査の方法

身体的な性別が男女の二択であるかを調べます。人間には46本の染色体(1から22番の常染色体が各2本ずつと性染色体が2本で計23対)が存在します。染色体は顕微鏡下で棒状の形態として観察されますが、この23対の染色体の中に2から3万個の遺伝子が組み込まれています。したがってほんの僅かな染色体の領域にも、顕微鏡では見えない何百という数多くの遺伝子が存在しています。

染色体検査は通常、分染法とよばれる手法により行われています。分析法とは染色体に種々の処理を行い、 染色体上に濃淡のある縞模様の特徴を表出させ解析する方法の総称です。

検査方法は採血になります。5mlの血液を採血し判別します。

血液検査を受ける前の注意事項

  1. お酒は3日前から飲まない(肝臓の数値が上がるため)
  2. 卵やマヨネーズは控える(コレステロール・中性脂肪が上がるため)
  3. 検査の前はご飯を食べない(各数値が上がるため)

染色体検査のメリット・デメリット

染色体検査のメリット

染色体検査を受けることで自身の性別の違和感が染色体異常ではなく、性同一性障害であるからという確定診断になります

染色体検査のデメリット

  • 生涯変更しない個人の遺伝子情報が明らかになります。
  • 通常の採血と同様に気分不良、顔面蒼白、あくび、冷汗、悪心、 めまい、さらに、嘔吐、意識喪失、けいれん、尿失禁、脱糞にいたる。 その他、血圧低下、徐脈、呼吸数低下などの副作用が起こることがあります。

性染色体検査の費用

医療保険・国民健康保険対象で約1万円ほどで受けられますが、診察費も含めるともう少しかかることを予定していてください。健康保険を使えないクリニックでは3〜5万円の費用がかさんでしまいますので、染色体検査を行なっているクリニックに問い合わせてみると良いでしょう。

実際の染色体検査結果報告書

私が19歳の時に行った実際の染色体検査の結果報告書がこちらです。

染色体検査は株式会社エスアールエス

私が染色体を調べてくれたのは東京都八王子市にある八王子ラボラリー。国内の染色体検査の70%を八王子ラボラリーが受託しています。自社開発した画像取り込み装置により15分/件という取り込みを実現、またAIを用いた画像認識により効率化を図っています。検査結果を報告する前に豊富な経験と高い技術をもつ100名を超えるスタッフが解析を行い、信頼性の高い検査を提供しています。

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