実際に起きたftmにおける乳腺摘出手術(胸オペ)による死亡事故

乳房除去手術受け死亡

性同一性障害(GID)の人を治療する東京・歌舞伎町の個人診療所で昨年5月、乳房を取り除く手術を受けた女性(21)が死亡していたことが、捜査関係者などへの取材でわかった。新宿区保健所は7月に立入検査し「衛生管理に問題がある」と改善を指導。警視庁は業務上過失致死の疑いがあると見て、執刀した院長(36)などに事情を聴いている。

執刀の院長聴取

診療所はGID治療を専門とし、相場の半額以下の低料金で手術を行っていた。乳房の除去手術や、体を心の性と一致させる性別適合手術は保険が適用されず高額なため、国内に数万人とも言われるGIDの人たちの間では、行為した零細な医療機関も一定の受け皿となっている。

捜査関係者や女性の知人らによると、女性は心と体の性が一致しないことに悩み、診療所に1年半ほど通いホルモン療法を受けていた。昨年5月30日、乳房を除去する手術中に意識不明になり、搬送された別の病院で同日死亡が確認された。

手術は院長が一人で担当し、看護師はいなかった。医療資格のない院長の父親が「助手」として加わっていた。司法解剖で死因は「不詳」とされた。

院長は2004年に中国地方の国立大医学部を卒業し医師免許を取得。2009年に開業後、GIDの人に対し主にホルモン注射による治療を行っていた。乳房の除去手術を始めたのは昨年5月で、亡くなった女性への手術は2例目だった。警視庁は麻酔薬の過剰投与などによって容態が急変した可能性がないかや、その後の処置に問題がなかったかなどを中心に調べている。

院長は昨年8月、診療所の従業員に暴行を加えたとして警視庁に逮捕され、今年1月、暴力行為等処罰法違反の罪で懲役1年(執行猶予3年)の有罪判決を受けた。昨年10月、保健所に診療所の廃止届が提出されている。

院長「全力を尽くした」

院長は昨年11月、勾留中の警察施設で朝日新聞記者の面会に応じた。主な一問一答は次の通り。

ー手術費がかなり安かった
「無駄な費用を削ぎ落としたからだ」

ー死亡時の状況は?
「手術を終え10分後に容態が急変した。すぐに酸素を注入し心臓マッサージをしたが救急隊が搬送に手間取った。わたしは医師として全力を尽くした。なくなったのは搬送先の落ち度だ」

ー手術は何人で?
「私1人。1人で十分だ」

「安さに不安、でも本当の体を」

院長は「キャンペーン」と銘打って25万円という低料金で乳房の除去手術を行っていた。

厚生労働省によると、2011年の統計でGIDの人は国内に約4千人。これは医療機関で診断を受けた人のみの数字で、GID学会会長の石原理・埼玉医大教授は「実際は数万人いるだろう」と言う。

日本精神神経学会は1997年、カウンセリングによる精神療法と、体を変えるホルモン療法や乳房の除去手術を施したのち、必要な人に性別適合手術を施すというガイドラインを定めた。国内では現在、ガイドラインに沿って埼玉医大や岡山大などで手術が行われている。

精神療法から手術まで通常2年程度を要するが、診療所での治療がガイドラインにのっとっていたかは不透明だ。石原教授によると、手術を急ぎたいと希望する人は多い。「手術を受けることを人生の目標にしている人もいる」。料金の安いタイなどで手術を受ける人が多いという。

国内では大学病院など以外でも手術は行われている。都内のある男性医師は乳房の除去手術を約50万円でしているという、石原教授は「25万円は『バーゲン価格』と言ってもいい」と話す。

院長は来院者らに、自身もGIDで、男性から女性に性転換したと説明していた。「この人なら自分たちのことをわかってくれると思った」。診療所でカウンセリングを受けたことのある女性(28)は言う。

亡くなった女性の友人(22)によると、女性は手術前、「安さは不安。でも、本当の体が手に入ったら美容師になる夢に向けて頑張りたい」と話していたという。
ー2013年2月8日朝日新聞夕刊

この事件を引き起こした東京都新宿区にある個人診療所は「湊川クリニック」(※現在廃院)とのことです。院長名は公開されていません。

この後2013年12月に院長は岡山県内の自宅で自殺し、捜査一課は2014年1月に被疑者死亡のまま同容疑で元院長を書類送検した。

麻酔を打つ場所を間違えるなどとして死亡させた疑いがあるとみて

なお、2013年4月1日のGID(性同一性障害)学会理事長声明は、次の通り述べています。

「東京都内の診療所において2012年5月に乳房切除術を受けた性同一性障害当事者が死亡していたことが,最近,報道されました.亡くなられた方のご冥福を心からお祈り申し上げます.

このような事例の背景には,基本的な生活を送る上で手術を必要とする性同一性障害当事者が多いもかかわらず,専門的な手術を安全に行うことのできる施設が不足していること,性同一性障害が疾患として認められているにもかかわらず,それに対する手術療法が健康保険の適用とならず高額であることなどが存在していると考えられます.このため手術料が低額で手術までの待ち時間が短い施設で手術を行いたいと思う方もいると推測します.

しかし,どのような手術であっても「生命にかかわる事態」は起こり得ます.このため,手術を施行するために適正な設備,救命のための蘇生技術を持つ人員・設備の整った施設でのみ,手術は行われるべきです.当然のことではありますが,医療従事者に対しましては,自身の施設に不備がある状況で手術を行わないことを求めます.また,性同一性障害当事者やその支援者の方々に対しましても,安全性を優先し賢明な判断をされることを望みます.

GID(性同一性障害)学会としても,専門的な知識や技術を持つ医師,看護師などの人材育成のための活動,他の学会との協力のもと手術の健康保険適用に向けての活動をさらに推進したいと考えております.何卒,ご理解,ご協力をお願い申し上げます.」

※安さだけで決めないで

日本国内でも日本国外でもいろんな場所で乳腺摘出手術(胸オペ)を受けることができます。胸オペをどこで受けるかは、医師の技術や手術の料金などあらゆる項目で考えて決めていきます。安いことも大事ですが、そこだけに焦点を当てずに危険性・安全性などいろんなことを考慮して決めることをオススメします。

亡くなられた方のご冥福を心からお祈りいたします。

スポンサードリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です