LGBT映画史上最高に胸糞悪い…実際にあった性同一性障害ftmが題材の映画「ボーイズ・ドント・クライ」

性同一性障害ftmが題材の映画はかなり少なく貴重なものですが、この「ボーイズ・ドント・クライ」は目を背けたくなるような嘘みたいな本当の話で、1993年にネブラスカ州で実際にあった事件を元に描かれています。とても心が痛くなり涙が出るくらい閲覧注意な映画ですが、当事者には見てほしい内容となっています。

お時間が無い方のためにネタバレをここに記しますが、もちろん実際に見ることをオススメします。

「ボーイズ・ドント・クライ」ネタバレ


12/12は、ブランドン ティーナ (Brandon Teena)さんのお誕生日。アメリカのヘイトクライムの被害者。トランス男性を自認するも肉親を始め周囲の理解を得られず。1993年、二人組の差別主義者の男性により強姦、殺害。1999年の映画『ボーイズ ドント クライ』の主人公に。https://t.co/bsuCnAQV9i pic.twitter.com/CTiWe2rR05

— レインボーアイル (RAINBOW AISLE) (@rainbowaisle) December 12, 2020

主人公・ブランドンが従兄でゲイのロニーに、髪をばっさりショートカットにしてもらうところから物語が始まります。ロニーはブランドンに「本当のことがバレると殺される」と忠告しますが、ブランドンは夜の町に繰り出しては、夜通し女の子と遊んでいました。

20歳のお年頃だからしょうがないよね

その時バーで出会ったキャンディスという女性と出会い、彼女を酔っぱらいから助け出します。さらにキャンディスの仲間のジョンとトムと知り合い、着の身着のまま彼らの地元であるフォールズ・シティへと向かうのでした。

翌朝、キャンディスの家で目を覚ましたブランドンは、ロニーに電話でフォールズ・シティに来たことを伝えます。ロニーはかつて窃盗を働いたブランドンに裁判所の出廷命令が来ており、このままだと刑務所送りになってしまうと警告します。その際にロニーはブランドンにブランドンに性転換手術を勧めますが、金がないため実現不可能だと答えるのでした。

ここでブランドンがftm何度と100%の確率がでました

焦るブランドンでしたが、キャンディスが働くバーの男性客に、リンカーンまで送ってもらえることになります。すぐにフォールズ・シティを離れるつもりだったブランドンでしたが、カラオケのステージに立った女性に一目惚れしてしまいます。彼女はジョンの恋人の娘であるラナで、ブランドンはジョンたちに誘われるがまま町に留まり、夜を楽しむのでした。

「恋は盲目」ってやつだぁよ

生理になってしまったブランドンは、ガスステーションに生理用品を買いに行きます。そこで、ドラッグでハイになっているラナと遭遇し、ビールを売ってもらえない彼女に代わって購入します。さらに、ラナが欲しがった指輪を盗み、彼女を自宅まで送り届けます。

ブランドンはラナを薬で眠らせて、盗んできた指輪を置いて立ち去るのでした。

翌朝ブランドンがラナの家に行くと、ジョンとラナの母親がいました。

自堕落なジョンは、昼間から愛人の家でビールを飲んで過ごしています。ジョンは元詐欺師で、トムと共に刑務所にいた経験がありました。ジョンはそのときに手紙を送り続けてくれたラナに励まされたのだと、ブランドンに語ります。ジョンは密かにラナに惚れていたのです。

恋人の娘に密かに惚れるなよ

ラナを職場に送るときに、ブランドンが車を運転することになるのですが、言いがかりをつけてきた車を追い越すために、スピード違反を犯してしまいます。ブランドンはパトカーに止められますが、コンピューターの故障によって逮捕は免れました。

ジョンは自ら指示しておきながらブランドンを責め、皆を置き去りにしてその場を去るのでした。

翌日、ブランドンは裁判所の出廷命令のため、一旦リンカーンに戻ることにします。そこにラナが現れ、いい雰囲気になった2人はキスをして別れます。その後、ブランドンはロニーの元へ向かい、ラナに結婚を申し込むと意気込むのでした。

「彼女は今までの人とは違うんだ」と言っていたブランドン

裁判所に行ったブランドンでしたが、ティーナ・ブランドンと本名で呼ばれて、その場を立ち去ってしまいます。

フォールズ・シティに戻ったブランドンは、ラナを職場から連れ出して、草むらで愛し合います。そのときラナは、ブランドンの胸のかすかな膨らみを見ていました。

ここでラナはブランドンが女性であると悟ります

21歳の誕生日を迎えたブランドンは、ラナの家で楽しいひと時を過ごします。ジョンはラナに手出しをしないようにと、ブランドンに警告するのでした。

やがて、ブランドンはガソリンスタンドで働き始めます。そして、カラオケ歌手になりたいというラナの夢を叶えるために、トレーラーハウスの購入を検討していました。

ある日、ブランドンはスピード違反の罰金の支払いに行きます。結局リンカーンの裁判所に出廷しなかったブランドンは、フォールズ・シティの警察署から女性用留置場へ収監されてしまうのでした。

面会に来たラナは、なぜ女性区画に入れられているのか、ブランドンを問いただします。ブランドンは性同一障害者であることをラナに打ち明けて、彼女が自分の元を去ることを覚悟します。しかし、ラナはそれを受け入れて身柄引受人となり、ブランドンは釈放されます。

2人は幸福感に包まれながら留置場を出て行きますが、ブランドンの犯罪歴が新聞に掲載されてしまいます。キャンディスはブランドンが女であることを知ってショックを受け、ジョンたちにも彼の素性を伝えるのでした。

キャンディスはブランドンに少し惹かれていた?

それまでブランドンを男性と思っていたジョンたちは、手のひらを返したかのように差別的になります。彼らはラナの家にやってきたブランドンを変態扱いします。ラナはブランドンを男性として愛していると弁明しますが、ラナの母親は娘がレズビアンに洗脳されたと嘆きます。

ジョンとトムはブランドンをシャワールームへ連れて行き、彼を押さえつけて無理やり下着を脱がせます。そこにはラナもおり、ジョンはブランドンが女性の身体をしていることを執拗に確認させるのです。

この辺から本当に心が苦しくなって涙か出てきます

ラナの母親がジョンたちを追い出し、ラナはブランドンと一緒に町を出ることを決意します。

さらに、ジョンたちはラナの留守中に、ブランドンを町はずれの工場へ連れて行きます。彼らはブランドンを暴行し、挙句の果てに、代わる代わるブランドンにレイプをします。そして、ボロボロになったブランドンに「このことを誰かに言うと一生話せなくする」と脅迫するのでした。

本当に胸糞悪いシーンでした。これが実話なんて信じたくありませんね

ブランドンはトムの家に連れて行かれます。しかし、隙を見て窓から逃走し、ラナの家に助けを求めます。ラナの母親は罵声を浴びせますが、ラナは救急車を呼び、ブランドンは病院で治療と検査を受けます。

ブランドンに逃げられたことを、ジョンたちは激高していました。

翌日、ブランドンは警察署で事情聴取を受けます。

生まれつきの性の障害があると話すブランドンに、警官は理解を示そうとしませんでした。さらに、レイプをされたことを覚えていないと涙を浮かべながら答えるブランドンに、具体的な説明を求めるのでした。

ラナの母親はジョンたちを警察に通報し、自分の家に近付かないように警告します。そして、彼らは出頭を命じられます。有罪になれば終身刑となってしまう2人は、ブランドンの口を封じるために、ある行動を起こします。

行くあてのないブランドンは、キャンディスの家を訪ねて、ラナたちとの思い出の写真を燃やします。納屋で夜を明かそうとしていたところ、ラナが迎えに来ます。

ブランドンは、子どもの頃は女の子として生きていたこと、大人になってから自分のあるべき姿で生きていくと決めたことを、ラナに語ります。ラナは「私も完璧じゃない」と言って、ブランドンを抱きしめます。そして2人は愛し合い、リンカーンに旅立つためにラナは自宅に戻って荷造りを始めます。

ラナはブランドンの全てを受け入れました

ブランドンがキャンディスの家にいると聞きつけたジョンたちは、銃を持って部屋に押し入ります。ブランドンは銃を向けられながら、幼い子どもがいるキャンディスを守ろうとします。

ラナが泣きながらブランドンと旅立つことを伝えると、ジョンはブランドンを射殺しました。さらに騒ぐキャンディスをトムが射殺し、ラナにも銃口を向けますが、ジョンが制止します。そして横たわるブランドンにナイフで止めを刺し、2人は逃走を図ります。

ラナはブランドンに寄り添い、泣き崩れます。夜が明けて、ラナはブランドンが自分宛の手紙を遺していたことに気付きます。迎えに来た母親と共に、ラナはその場を離れるのでした。

ブランドンからの手紙には、「君を想えば生きていける。永遠の愛を込めて」と書かれていました。

ラナはブランドンとの約束を守るために、リンカーンへと旅立ちます。数年後フォールズ・シティに戻り、娘を産みました。

ジョンは第一級殺人で有罪となり、死刑囚監房から上訴されました。トムは検事に協力して、ジョンにとって不利な証言をしたことで減刑され、終身刑で服役中と語られる場面で、物語は幕を閉じます。

PG-12指定の作品

PG-12指定とは12歳未満の年少者には保護者の助言・指導が必要とする日本の映倫規定です。レイプのシーンだったり、裸になるシーンがあるのでPG-12になるかと思います。

よくあるハッピーエンドかと思った物語がまさかブランドンが射殺されてしまうなんて思ってもいなくて先が読めない作品でした。

みんなの感想コメント

ひどい…
理解できない受け入れられないってことから、ただ1人の人をこんな肉体的にも精神的にもズタボロにするなんて…その中でもやっぱりラナのブランドンに対する愛情は変わらないよねっていう心の保ちようが
ちょっとブランドンの髪の毛がいけてなかっただけで、手のひらひっくり返されそうなってヒヤヒヤしましたよこれが実話という悲劇
トランスジェンダーだからどうとかでなく、自分の生きたいように真っ直ぐ正直に生きた人の証です

記録。
胸が痛い。力が入らない。二度と観たくないけど個人的LGBT映画最高峰。1993年大晦日のネブラスカ。1人のトランスジェンダー男性が無惨にも殺害される。
ブランドン・ティーナ。21歳没。ブランドン役をヒラリー・スワンクが演じた実話ベースの本作。素人目にも難しいであろうことが分かる役どころを、素晴らしい名演で魅せるスワンクも印象的だが、過剰に保守的であるが故の攻撃性に途轍もない嫌悪感を感じて仕方がない。閉塞的な田舎町。やり場の無いエネルギーを内に秘め燻る若者。さながら閉じ込められているような感覚に陥る。
田舎出身の僕はこの感覚よく分かる。実にリアルだ。そしてこのようなコミュニティに属する人々は、コミュニティ内での連帯感が強い反面、外部或いは単に自分たちとは異なる物に対する排斥感情も甚だしい。
異論はあるかもしれないが、恐らく一般論として通じるであろうし、何より自分の実感としてそう思うのだ。かつての仲間に考えうる最悪の形で性を否定され、無知で無能な保安官はその傷を抉るような尋問に終始する。こうして異質な者として爪弾きにされた彼は、コミュニティどころかこの世からも存在を消されてしまった。その事実に僕は、暫く全身の力が抜け、立ち上がることすら億劫になる程の衝撃を受けた。こんな映画はそうそう無いだろう。

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