手術は痛みを伴う辛い治療です。そこで全身麻酔が手術を苦痛なく安全に行うために考案されました。具体的に麻酔では痛みをとることと、無意識にすることを行います。
また、外科医の立場から、手術中に患者様が動かないでいてくれることが必要です。さらに、手術は体に負担をかけ、有害な反射を起こしたり、出血などで命を脅かすことがあります。麻酔はこれらから命を守ります。
全身麻酔の合併症及び偶発性
吐き気・嘔吐
手術の前は吐き気予防のために絶飲食となります。術後は気分が悪くなったりすることがありますが、吐くこと自体は何も心配ありません。
乗り物酔いしやすい方に多く見られ、患者様の体質や手術の部位、また術中や術後に使用する鎮痛薬が関係しています。麻薬性の麻酔薬が残存している状態でアルコールが翌日まで残る二日酔いと似ているそうです。(発生頻度5%)
頭痛
ほとんどの場合、安静にしていれば徐々に楽になりますが、長く続くようなら麻酔科に相談してください。また、全身麻酔の後に頭が重い感じがすることがありますが、次第に回復します。(発生頻度5%)
喉の痛み、声がかすれる
ほとんどの全身麻酔では、眠った後で口または鼻から気管に管を通して人工呼吸をします。そのため手術の後で一時的に、のどの痛みを感じたり声がかすれたりすることがあります。ほとんどの場合、数日のうちにおさまります。(発生頻度5%)
歯の損傷、唇の傷・腫れ
人工呼吸のための管を入れるときに、器具を使って口を大きく開けます。歯が弱っていたりするとこの時にその歯が欠けたり折れたりすることがあります。しっかり揃っている歯はほとんど問題ありませんが、グラグラの歯や1本だけ残った歯は損傷の頻度が高くなります。もしぐらついている歯があれば、あらかじめ担当麻酔科医に必ず教えてください。
またその時に唇が少し傷ついたり、長時間手術などでチューブや固定のテープの刺激で唇が腫れることもありますが、数日のうちにおさまります。
寒気・発熱
麻酔の影響で体温の調節能力が一時的ににぶくなるため、寒気やふるえがきたり発熱が起こることがあります。しばらく温めれば徐々におさまります。
のどの渇き
手術の前に、唾液の分泌を少なくするために注射をすることがあります。そのため、のどの渇く感じがします。麻酔を円滑に行うためには必要な注射ですので、できるだけご協力ください。我慢できないときは、医師か看護師に伝えてください。(発生頻度5%)
実際に体験した全身麻酔の感想
僕の場合はタイで胸オペ(乳腺摘出手術)と内摘(子宮卵巣摘出手術)の同時オペを行いました。
手術衣に着替えて、歩いて手術室へ行き手術室で初めて手術台に上がりました。点滴麻酔を刺されて、それがすごく冷たくて手術台で誰が見ても目に見えるくらい全身が震えてました。
両手足を縛られて、顔をマスクに当てられて
そして、3、2で意識を失いました。肩をトントンされて意識が朦朧としながら起きると手術は終わっていて、「終わったよ〜」と確認されて後は、またぐっすり寝ました。
起きて意識がはっきりすると、
- のどの渇き
- 声のかすれ
- のどの痛み
- 寒気
- 発熱(38度台)
があったのを覚えています。ですが、手術後2日経てばケロッとしてました。
僕は比較的健康体なので、特に心配するものではありませんでした。どうしても心配だという方は医師に相談してみてください。