子宮卵巣摘出手術に用いられる3つの術式を紹介

子宮卵巣の摘出手術

上図は、単純子宮全摘出を簡単に模式的に描いたものです。これを見てわかるように、子宮は膣の方へ一部出口を覗かせている形になっているので、子宮を摘出すると膣の一番奥の部分に穴が開く事になります。これをこのままにしておくわけにはいかないので、通常は体内で溶けて吸収される糸(吸収糸)でイラストのように縫合します。

性同一性障害ftmの子宮全摘出手術には主に3つの手術方法があります。

  1. 開腹手術
  2. 腹腔鏡手術
  3. 膣式手術

それぞれメリット・デメリットがあるのでどの術式を選ぶかは人それぞれです。

1.開腹手術

開腹手術は、子宮の位置(隠毛の生え際)に、横5〜10cmほど開腹し、子宮卵巣を全摘出します。他の術式と比べて切開する部分が大きいので個人差はありますが、手術後に痛みが伴う割合が高いです。傷は大きくなりますが、パンツで隠れる場所の切開なので脱がない限り目立つことはありません。

3つの術式の中で料金も一番安く、最も選ばれやすい術式となります。

2.腹腔鏡手術

腹腔鏡手術とは、腹部に約1㎝前後の穴を4か所空け、そこから器具を挿入し、医師が映し出される画像を見ながら、腹部内で子宮と卵巣が切り離して膣から摘出する手術です。
開腹手術に比べて、切開する部分が小さいため、個人差はありますが、手術後の痛みは開腹手術ほどではなく、開腹手術に比べて身体の回復も早いです。
手術料金も、開腹手術に比べると高い金額になります。

3.膣式手術

膣式手術とは、腹部を切開せずに子宮卵巣摘出手術が行われる手術です。
膣を最大限に広げ器具を挿入し、腹部内で子宮卵巣を切り離し、膣から摘出します。
しかし、膣が極端に狭い場合や伸縮性がない場合や肥満の方の場合などは、膣式手術が不可能な場合もあります。もし、術後出血等がひどい場合は、腹部内の出血している箇所を止血するため、開腹手術で再手術を受けなければならない可能性もあります。

子宮を取ったら空洞ができる?

子宮を摘出した後のお腹の中は、子宮が無くなったスペースに腸が動いてくるだけで、決して空洞ができてしまうわけではありません。例えて言えば、骨盤はお椀のような形をしていて子宮はその底の部分からお椀の中に向かって突出しているようなものですから、この突起が無くなってお椀本来の形に戻るようなものなのです。

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