【目指せ1発許可】改名申立書の書き方(成功事例あり)

正当な事由によって,戸籍の名を変更するには,家庭裁判所の許可が必要です。正当な事由とは,名の変更をしないとその人の社会生活において支障を来す場合をいい,単なる個人的趣味,感情,信仰上の希望等のみでは足りないとされています。
裁判所HP

まずは改名の流れについてこちらからお読みください。

▶︎改名申請書ダウンロードする

▶︎改名申請書記入例

申立書の書き方

一番重要な2枚目を解説していきます。

申立ての理由

  1. 奇妙な名前である
  2. むずかしくて正確に読まれない
  3. 同姓同名者がいて不便である
  4. 異性と紛らわしい
  5. 外国人と紛らわしい
  6. 平成・令和(   )年(   )月新宮・僧侶となった(やめた)
  7. 通称として永年使用した
    (使用を始めた期間 昭和・平成 年 月)
  8. その他(                 )

性同一性障害の場合は(8.その他)に丸を付け、「性同一性障害のため」と記入する

私が実際に書いた「名の変更を必要とする具体的な事情」

私は日本精神神経学会「診断と治療のガイドライン」の下、(病院名)にて性同一性障害の診断を受けています。2013年3月14日からホルモン治療を開始しており、今後は性別適合手術を受け、戸籍も男性に変更する予定です。 女性名「〇〇」のままですと、今後治療が進む中で更に支障が増大し、社会生活における本人確認などに精神的苦痛を感じます。

そこで男性名として解釈される「〇〇(通称名)」の名を通称名として、2011年12月以降から可能な限り使用してきました。また「〇〇(通称名)」の名は家族や友人など周囲の人たちにすでに受け入れられているので名前を変更しても混乱をもたらす恐れはないと考えられるため改名を望みます。

【備考欄】 2013年4月に専門学校に入学し、今後検定や資格取得などで混乱を起こさないよう、できるだけ早く審判をいただけることを希望します。

改名申立書書き方のポイント

 申し立てをするに至った要点を強く訴えるように書きます。

  • 性同一性障害であること
  • 性同一性障害の診断をもらっていること(診断書提出)
  • 女性名で実際に社会生活で困っていること
  • 既に治療を進めていること
  • 将来戸籍も男性に変更するということ
  • 家族や周囲が改名したい名前を既に受け入れていること
  • 長い間新しい名前で生活しているということ
  • 改名しても周囲に迷惑をかけたり、混乱を与えないこと
  • ガイドラインに沿って治療を進めること (自由治療を望む人は書かないでください)

※備考欄には早く許可をしてもらえるように「できるだけ早く審判を」という願いを入れました。

改名成功事例

過去の判例で認められた申立の実情判例の成功例を紹介します。

性同一性障害者である抗告人が、社会生活上、自己が認識している性別とは異なる男性として振る舞わなければならず、男性であることを表す戸籍上の名を使用することに精神的苦痛を感じており、抗告人に戸籍上の名の使用を強いることは社会観念上不当であると認められる一方、名の変更によって職場や社会生活に混乱が生じるような事情も見あたらないことからすれば、変更後の名の使用実績が少ないとしても、抗告人の名を変更することには正当な事由がある。 性同一性障害者である男性が、男性であることを示す戸籍上の名を使用することに精神的苦痛を感じており、名の変更によって職場や社会生活に混乱が生じるような事情も認められないという事実関係の下では、変更後の名の使用実績が少ないとしても、名を変更することに正当な事由がある。 ー平成21年11月10日/大阪高等裁判所/決定/平成21年(ラ)1005号
氏名変更相談センター

未成年の子がいる者について、性同一性障害を理由とする名の変更が許可された事例。性同一性障害者について、日常は女性として生活しているが、戸籍上の名が男性であることを示すものであるため、性別アイデンティティーの維持や社会生活における本人確認などに支障を来していること、現在、性同一性障害に関する治療のガイドラインに沿ってホルモン療法を受けており、最終的には戸籍上の性別を変更する予定であること、少なくとも9か月間余り通称名を使用していて一定の使用実績があることなどの事情の下では、同人に未成年の子らがいるため当分は性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律に基づく性別の取扱いの変更をすることができないとしても、名の変更を認めることにより前記未成年の子らの福祉に悪影響が生ずる具体的なおそれがあることはうかがわれないことからすると、前記通称名への名の変更について「正当な事由」がある。 ー平成22年10月12日/高松高等裁判所/決定/平成22年(ラ)126号
氏名変更相談センター

全く同じ文章を書いても必ず許可されるわけではない

この事例に当たる家庭裁判所や裁判官が違えば許可されるのか却下されるのかもわかりません。同じ裁判所であっても1人の裁判官が見てるわけではないので、当たった裁判官の判断によります。難しい裁判官に当たってしまうといつまで経っても許可がおりないこともあります。

誰がどう見ても正当な理由、納得のいく文書で書くことがとても大事です。

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